十勝地方もこの季節には珍しく大雪で夜中の道中、路外転落の車数台、タイヤが脱落した車を横目にしながら目的地に向かう。
過去に釣りに向かう時にスピード違反で切符を切られた時、または深夜ブラックアイスバーンのR39の山中で横転したセルシオの傍らで凍えていた若いカップルを助けた時。
車に起因したハプニングに遭遇した時に大物を釣った思い出がある。
「ひょっとしたら今日も大物の予感!」
大雪の影響で除雪もままならなく、川岸に入る道も雪で塞がれている。
ようやく車を駐車するスペースを見つけ釣りを開始する。
腰まで浸かりながらシャーベット状の塊を避けながら釣りをする。
二人は自分より下流を釣り下って行き、自分もゆっくりと釣りながら後を追った。
だんだん水深も深くなりながらも後を追い「この水深をよくあの二人はここを釣り下ったな」と思った。
水面は自分の胸に達し、水底の砂地をつま先がかろうじて捉えている状況にあった。
「もう少し行けば浅くなるだろう」そう思い更にturikitiさんの後ろに向かった。
なかなか浅くならず・・・もう限界かと思った時・・・冷たいものが厚く着込んだはずの衣類を濡らし胴長に入りこんできた。
「マズイ!引き返そう!」と振り返えると大きなシャーベットの塊が目前に迫っており、もう後戻りは出来ない状態。
「前進するしかない!」直後、大量の水が胴長に入り込む。不思議と身の危険を感じることはなく、ポケットの中のiPhoneの心配と、この水面から40cmほどしか出てない哀れな自分の姿を想像すると恥ずかしさが込み上げる。
自分がこんな悲惨な状況になっていることは二人は気づくこともなく釣りに集中している。
「いや~っ! 参った! 胸から下、ずぶ濡れだよっ!」
ようやく二人は自分に起こった異変に気づいてくれた。 あの哀れな姿は二人には見られていない。
車に戻り、たまたまturikitiさんが靴下からパンツの果てまでの着替えを持って来ておられ、快く私に貸してくれた。
私も躊躇う事もなくturikitiさんが長きに渡り穿いていたであろうパンツをお借りした。
その後も着替えのお陰で釣りを続行した。
しかし釣果はturikitiさんが小さいアメマスが2匹、S33生れがFFさんと自分はボウズでした。
釣果にもパンツにも「運」は付いていなかった。 turikitiさんには小さな「運」が付いていたようだ。
今年のいろんな意味の「釣りの垢」を胴長の中まで洗い流させた今年最後の身も凍るような釣りだった。


