流れは遅いがかなり深い。
自分はあまりこのようなポイントは好きではない。なぜならこのようなポイントで釣れた試しが無い。ルアーでもやっているのなら別だが・・・
ここはサッと流し、更に下流の流れに向かいフライを流す。
アタリなし。
最初に入釣した場所より300メートルほど下流に今春に入釣したポイントがある。
そこには赤いジャンバーを着た釣り人が一人。ダブルハンドを振っているようだ。
ダウンクロスで釣り下りながら徐々にその釣り人の上流30メートルほどに迫る。
先行者はなかなかその場を動かないので自分もそれ以上釣り下りようがない。
よく見ると餌釣りの長い手竿であった。
挨拶し、一声掛けて手竿師の下流に入らせてもらおうか迷っていると、突然20フィートはあろうかと思われる竿がのされ手竿師は中腰になり魚の動きに合わせ構えている。
「ジャンプ!」 「デカイ!」 「60はある!」
次の瞬間20フィートの手竿はテンションを無くし、チチワから黄色いナイロンテグスがダラリと垂れていた。
「見たか~! でがいべ~! 切られたのここで二回目だぁ!」
「おじさん!惜しかったね!」
釣りの手法は違うが、二人の釣り人は岸に上がり、このあたりに住むのであろう「赤いジャンバー」の釣りの大先輩?は口の横に泡を溜め、熱っぽくこのあたりの釣り情報を私に語りだした。
[春の赤い体の四尺くらいの魚の話、田んぼに水を引く溜まりに居た三尺弱の虹鱒の話。] 等等・・
自分はこの手の昔の話が好きなのである。
1965年生まれの私だが、生まれる前1950年頃の釣りってどぉだったのかなと、ちょくちょく思い描くのである。
今とは比べようもないほど多くのネイティブな魚達、不気味に曲がりくねり底の見えぬ大淵が点在する未開発の河川。
魅力である。
「おじさん、下流に入ってもいいですか?」 「おお!やんなさい!」とお互い釣りを始める。
ほどなく私に25センチほどの小さな虹鱒が掛かった。
30分ほど釣りを楽しんだ。
ほんの先ほど言葉を交わしたばかりの「おじさん」だが、互いに申し合わせたように、私はラインをリールに巻き、おじさんは振り出し竿をたたみ、一緒に岸に上がった。
白い煙を吐くカブに跨る赤いジャンバーを着たおじさんを見送り、私は500メートル近く上手に止めた車に向かい黄色に染まる木々の中の細い道を歩いた。
おじさんありがとう!古き良き時代の話。ワクワクしました。
なんだか気持ちの良い一日だった。
(近いうちに黄色いナイロンテグスを口に掛けた奴に、私の「ジョックスコット??」を掛けてやる!)
口の横に泡 ですか。
返信削除自分も高揚して来るとそう成ってる様な気がして来ました(恥)
ダンケルド様
返信削除おじじさん、熱っぽく語ってくれました。
4尺の魚、3尺弱の魚の話は今年の話だそうです。
赤ジャンパーのおじさんに会えるかもしれないと思ったけど残念でした。かに現象興味あるなー。
返信削除カチョウ様
返信削除地元のおじさんでカブに乗ってます。
レイバン風タレサンをかけているチョイ悪チックな方です。
昔の良き時代の話、いいですよ~